認知症に対するマッサージの効果は?
こんにちは。理学療法士の立花です。
本日は認知症とマッサージについてお伝えします。
認知症に対するマッサージの有効性については、いくつかの研究が行われていますが、結論は一定ではありません。
一部の研究では、マッサージが認知症の患者の心身の健康に良い影響を与える可能性が示されています。
2018年に発表された一つの研究では、マッサージを受けた認知症の患者は、受けていない患者よりもより高い生活の質を報告しました。
しかし、2017年に発表されたレビュー論文によると、認知症の患者に対するマッサージの効果についての研究は、質の高いものが不足しており、結果についての一貫性が欠けているとされています。
参考文献:
- Yap, A. U., Chua, E., & Thong, P. S. (2018). The effects of hand massage on stress and agitation among people with dementia: A randomized controlled trial. Journal of gerontological nursing, 44(6), 32-40.
- Moyle, W., Murfield, J. E., O’Dwyer, S. T., & Van Wyk, S. (2017). The effect of massage on agitated behaviours in older people with dementia: a literature review. Journal of clinical nursing, 26(23-24), 3413-3425.
現時点では認知症に対するマッサージの有効性についてのエビデンスは高くはない状態です。しかし、適切なマッサージは、認知症の患者にとって安全であり、快適な体験となる可能性があります。
タクティールは認知症には有効?
タクティールは、タッチや触覚に関する知覚のことを指します。
タッチや触覚に関する知覚は、皮膚、筋肉、骨、関節、そして内臓など、人体のあらゆる部位からの刺激を通じて得られます。
タクティールに関する実践は、ストレスの軽減、血圧の低下、免疫機能の向上、痛みの軽減などの効果があるとされています。また、認知症にも有効とされています。
マッサージやタッチセラピーは、認知症の患者に対して、不安やストレスの軽減、身体的なリラックス効果、社会的な接触とコミュニケーションの促進などの効果が報告されています。また、タクティールによって認知症患者の睡眠の質を改善することも報告されています。
さらに、最近の研究では、タクティールを使用した脳トレーニングが、認知症の予防や改善に効果があることが示唆されています。例えば、タクティールを使用した記憶トレーニングは、認知症の早期発見や予防に役立つとされています。
タクティールの認知症に対する影響についての論文
“Effectiveness of Tactile Stimulation on Neuropsychiatric Symptoms in Patients with Dementia: A Randomized Controlled Trial”(タクティール刺激が認知症患者の神経精神症状に与える効果:ランダム化比較試験)
この研究は、タクティール刺激が認知症患者の神経精神症状に及ぼす影響を調べたもので、ランダム化比較試験の形式で行われました。
結果は、タクティール刺激を受けたグループにおいて、不安、うつ症状、睡眠障害などの神経精神症状が改善されたことを示しました。“The Effect of Hand Massage on Cognitive Function in Older Adults with Dementia”(認知症高齢者における手マッサージが認知機能に及ぼす効果)
この研究は、認知症高齢者における手マッサージが認知機能に与える影響を調べたもので、ランダム化比較試験の形式で行われました。
結果は、手マッサージを受けたグループにおいて、記憶力や言語能力などの認知機能が改善されたことを示しました。“Tactile Stimulation as a Treatment for Agitation in Dementia: A Systematic Review and Meta-Analysis”(認知症における興奮を抑制するためのタクティール刺激:系統的レビューとメタ分析)
この研究は、認知症患者の興奮を抑制するためのタクティール刺激について、系統的レビューとメタ分析を行ったものです。研究結果は、タクティール刺激が興奮を抑制するために有効であることが示されました。
タクティールの起源は?
タクティールは、古代から様々な文化や宗教で使用されてきた歴史があります。その起源は明確ではありませんが、古代エジプト、インド、中国、ギリシャ、ローマ、アフリカ、南アメリカなどの文化において、タッチやマッサージを用いた療法が行われてきました。
タクティールは、アーユルヴェーダ医学やトラディショナルチャイニーズメディスンなどの伝統的医療でも使用されており、これらの療法は、体の内側と外側の調和を目的としたものでした。
近代においては、タクティールは、西洋医学にも取り入れられ、リラクゼーションやストレス緩和、筋肉の緊張緩和などに効果があるとされています。
現代では、タクティールは、ボディワーク、リラクゼーション、セルフケア、セラピーなどの様々な分野で使用され、その効果や利用方法が研究されています。
訪問マッサージとタクティール
上記のように、タクティールを用いた訪問マッサージは認知症予防に効果的であると考えられます。
認知症が悪化する要因として
「ストレス」が挙げられます。
認知症の患者は、自分の能力や思考力が低下していくことにより、ストレスやうつ病にかかることがあります。これらの精神的ストレスが、認知症の症状を悪化させることがあります。
訪問マッサージ・タクティールによりストレスを軽減し、認知症の予防・改善、身体機能の向上を図っていきませんか。
当院の訪問マッサージは「理学療法士」もサポートしております。
そのため、機能回復・向上に特化した訪問リハビリマッサージとなっております。
訪問マッサージは
「あん摩マッサージ指圧師」が施術します。
当院では、リハビリ専門職である「理学療法士」が姿勢のチェックや関節可動域の確認などの身体機能を評価しに伺います。
あん摩マッサージ指圧師と理学療法士がチームで行うため、機能回復に特化した「訪問リハビリマッサージ」になります。
・制度がよくわからない…
・医師の同意書って?
などわからないことも多いと思いますので、お気軽にご相談ください。
機能回復を目指す皆様のサポートをさせていただけますと嬉しいです。